「生成AIづくし研修」のメリットとデメリット

先週、毎年恒例となっている研修が2つあり、どちらも受講者の人達に、演習時に
生成AIを活用して取り組んでもらいました。

受講者層は、企業の部長層で、ふだんはそんなに生成AIを活用していない人達も
いましたが、自分のPC上で生成AIは使える環境にはあったので、それをフル活用
して取り組んでもらいました。

すると、AIが出してくるたたき台をベースに編集が行えるので、ペースが速まり、
ふだんは取り組めないワークシートにまで取り組めた一方で、思ったように
アウトプットが出せない等の問題も発生しました。

受講者の気づきとともに、生成AI活用研修のメリットとデメリットをまとめて
みました。

【前提:講師の記入例付きワークシートを使う】

今回の研修では、講師である私が用意した、記入例付きのワークシート(パワーポイント)を使ってもらいました。ワークシートの趣旨と記入例がセットになっているので、それを生成AIに読み込ませ、自分のテーマで埋めていくという進め方です。 

【メリット1:検索だけではない生成AIの使い方が分かる】
生成AIを検索の代わりに使っている人は多いと思いますが、ワークシートに取り組むと、分析させる、考えさせる、発想させるといった、検索だけではない使い方を体験することになります。ふだん生成AIをあまり使っていない人にとっては、使い方の幅を知る良い機会になります。

【メリット2:ブランクが無くなり、たたき台から始められる】
研修でよくあるのが、ワークシートを前に手が止まり、何も書けないまま時間が過ぎてしまうケースです。生成AIを使うと、ワークシートの趣旨や記入例を参考にしたたたき台が出てくるので、ブランクということが無くなります。
さらに、パワーポイント形式でアウトプットを出せる生成AI(ClaudeやChatGPT、Copilot)を使えば、そのまま編集できるので、手間も省けます。

【メリット3:自分では気づかなかったポイントに気づく】
生成AIのアウトプットを見ると、自分では気づかなかったポイントに気づかされることがあります。また、自社・自事業・自分に関する情報をインプットとして入れると、自社用・自分用にアレンジしたものを出してくれます。エンタープライズ版を使っていれば、過去の履歴や自社のデータベースも参照してくれるので、より自社に即した内容になります。

【メリット4:スピードが上がり、より多くのワークに取り組める】
何より大きいのは、ワーク(作業)が速くなることです。1枚のワークシートを埋めるのが速くなるので、ふだんは時間切れで取り組めないワークシートにまで取り組めるようになりました。同じ研修時間でも、中身の密度が上がったと言えます。

【デメリット:使い方次第で落とし穴もある】
一方で、デメリットもあります。
1つ目は、自分で考えず、生成AIに依存するようになることです。たたき台が簡単に出てくるので、それで分かった気になってしまう危険があります。
2つ目は、抽象的・曖昧な指示だと良いアウトプットが得られないことです。冒頭で触れた「思ったようにアウトプットが出せない」という問題も、指示の出し方を具体的にすることで改善できる余地があります。
3つ目は、間違いやハルシネーション(もっともらしい誤り)に気づかないと、それに騙されて、誤った解答を出してしまうことです。 

【生成AIは「考える相棒」として使う】
生成AIづくしで研修をすると、ワークの質とスピードは上がります。ただしそれは、受講者自身が考え、具体的な指示を出し、アウトプットを吟味してこそです。
生成AIに考えてもらうのではなく、生成AIと一緒に考える。そういう「考える相棒」として使いこなすことが、研修の場でも、実際の仕事の場でも求められていると感じています。

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