「SWOT分析での生成AIの使い方3パターン」

先週、月一で実施している中計策定ワークショップの第4回があり、第3回時に
事後課題にしたSWOT分析の見直し版を紹介してもらいました。

前回時点では、生成AIを使っていないグループもあり、成果物の出来が悪かったので、
今回は、全グループとも使ってもらって、その成果物を確認しました。

すると、どのグループの成果物も分かりやすくまとめられていて、いくつか有望な
戦略代替案も抽出することが出来ていました。

ただ、使い方はいろいろで、見ていると、3パターン位ありそうです。

1つ目は、最初から全部お任せで作らせる方法

2つ目は、ステップバイステップで作っていく方法

3つ目は、組合せを考えさせるところで使う方法

それぞれについて、やり方と留意事項を見ていきましょう。

【パターン1】最初から全部お任せで作らせる方法

<やり方>

自社のホームページや会社案内、決算資料、既存の事業計画などを
まとめて生成AIに読み込ませ、「当社のSWOT分析を行い、その上で
クロスSWOTで戦略代替案を出してください」と、一気に依頼するやり方です。

業界動向の情報が足りなければ、ディープリサーチ機能で調べさせることも
できます。早ければ十数分で、それらしい四象限の表と、
いくつかの戦略代替案まで出てきます。

<留意事項>

・渡す情報が少ないと、「技術力が高い」「人材の高齢化」といった、どの会社にも
当てはまる一般論になります。自社の固有名詞や数字が
入っているかどうかが、
出来を見分ける第一のポイントです。

・市場規模や競合の動きなどは、もっともらしく書かれていても事実と違うことが
あります。数字が出てきたら出典を確かめる癖をつけましょう。

・未公表の計画や顧客情報を読み込ませてよいかどうか、会社として認めている
ツールか、設定はどうなっているかの確認もお忘れなく。

・そして最大の留意点は、出てきたものが「自分たちで考えたもの」になっていない
こと。きれいな資料ができた分だけ、腹落ち感が薄く、
実行段階で力が出ません。
あくまでたたき台と割り切ることです。

【パターン2】ステップバイステップで作っていく方法

<やり方>

SWOT分析の手順を分解して、一段階ずつ生成AIと進めるやり方です。

 ①外部環境分析(PESTや5フォース)から、機会と脅威を出す
 ②内部環境分析(経営資源、バリューチェーン、競合比較)から、
  強みと弱みを出す
 ③それぞれ重要度の高いものに絞り込む
 ④クロスSWOTで戦略代替案を考える

ポイントは、各段階でメンバーが中身を確認・修正し、その「確定版」を
次の段階の入力として渡していくところです。

<留意事項>

・各段階で必ず人が取捨選択すること。AIの出力をそのまま次に流すと、
 最初のズレが後の工程で増幅されてしまいます。
・強み・弱みは「顧客から見てどうか」「競合と比べてどうか」で判断を。
 AIは放っておくと自社目線の美点を並べがちです。
・機会・脅威は、自社ではコントロールできない外部要因に限ります。
 「若手が育っていない」を機会や脅威の欄に書いてしまうグループが
 毎回出てきますが、これは内部の弱みです。
・やりとりが長くなると、AIは前提を忘れていきます。段階が変わる節目で、
 確定版をもう一度貼り直すと精度が保てます。
・手間と時間はかかりますが、議論した跡が残るので、メンバーの納得感は
 三つの中で一番高くなります。

【パターン3】組合せを考えさせるところで使う方法

<やり方>
四象限そのものは自分たちで作り、そこから先のクロスSWOT、つまり
・強み×機会(積極的に攻める)
・強み×脅威(強みで脅威をかわす、差別化する)
・弱み×機会(弱みを補って機会をつかむ)
・弱み×脅威(守る、あるいは縮小・撤退する)
の組合せ出しのところで生成AIを使う、という方法です。

「強み①と機会②を掛け合わせた戦略案を5つ、必要な打ち手と想定される
リスクを添えて出してください」といった指示を出します。

組合せの数は多く、人手だと必ず抜けが出るところなので、網羅性を担保する
相手としてAIはうってつけです。

<留意事項>
・どの強みとどの機会を掛けたのか、対応関係を必ず明示させること。
 これが曖昧だと、後から検証も修正もできません。
・出てくる案は玉石混交です。自社の目的、投資規模、実現時期、既存事業
 とのシナジーなど、評価軸を先に決めてから絞り込みましょう。
・「〇〇を強化する」といった掛け声で止まりがちです。誰が、いつまでに、
 何をするのかまで具体化させて、はじめて戦略代替案になります。
・弱み×脅威は「やらないことを決める」象限です。四つの枠を同じ熱量で
 埋めようとして、無理に案をひねり出す必要はありません。

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三つのうちどれが正解ということはなく、使い分けだと思います。
時間がない、とっかかりが欲しいときは①、じっくり力をつけたいときは②、
四象限がすでに固まっているなら③、といった具合です。実際には、
①でたたき台を作り、②で自分たちの手で作り直し、③で仕上げる、
という組合せが現実的かもしれません。

共通して言えるのは、生成AIは優秀な壁打ち相手ではあっても、
決めるのは自分たちだということ。今回のワークショップでも、
AIの出力をそのまま貼り付けたグループより、出てきたものを叩いて
議論した跡のあるグループのほうが、発表に力がありました。

来月の第5回が楽しみです。

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