AIを使ってもうまく出来ないのはなぜ?

先週、月一ペースで実施している新規提言研修の第3回があり、受講者の人達に、
自分達が考えたアイデアの中から一番有望そうなテーマを選んで、提言構成を
検討してもらいました。
例年、論理構成に苦労するグループがあるので、今年は、生成AIを利用可として、
難易度を下げて取り組んでもらいました。
すると、4グループ中3グループは、うまく行ったのですが、1グループだけ、
それでもうまく構成できませんでした。

テーマを決めて、生成AIに投げればいいだけのはずでしたが、どうしたのでしょうか?

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そこで、そのグループのテーマと、生成AIが出してきた構成案を見せてもらいました。
構成案そのものは、「現状分析→課題→解決策→期待効果」と、一見きれいに整っています。
しかし、中身を読んでみると、「業務の効率化を図る」「社員の意識を高める」「仕組みを整備する」
といった言葉が並んでいるだけで、具体的に何をどう変えるのかが、さっぱり見えてきません。 

原因は、AIではなく、もとのテーマの方にありました。テーマが曖昧だったり、具体性に欠けて
いたりすると、いくら生成AIに構成させても、抽象的な論理構成にしかならないのです。 

生成AIは、与えられた材料をもとに、筋の通った構成を組み立てるのは得意です。
ですが、材料に含まれていない「具体的な中身」までは補ってくれません。
テーマがぼんやりしていれば、どんな会社にも当てはまるような、無難で一般的な構成が
返ってくるだけです。いわば、入力の具体性が、そのまま出力の具体性になるわけです。 

例えば、「業務効率化を進める」というテーマと、「営業部門の見積書作成にかかる時間を、
ひな形の共通化で半分にする」というテーマとでは、同じようにAIに構成させても、
出てくる構成の具体性はまったく違ってきます。
後者であれば、今どれくらい時間がかかっているのか、なぜ時間がかかるのか、
ひな形をどう共通化するのか、といった検討すべき論点が、おのずと浮かび上がってきます。 

では、どうすればよいのでしょうか。
ポイントは、AIに構成を頼む前に、次のような点を自分達の言葉で書き出しておくことです。 

・誰の(どの部門の、どんな顧客の)問題なのか
・何に困っているのか、それはなぜ起きているのか
・どうなれば解決したと言えるのか(できれば数字で) 

もし、ここがうまく書けないなら、それ自体が「テーマがまだ固まっていない」というサインです。
その場合は、いきなり構成を作らせるのではなく、「このテーマを具体化するために、
私に質問してください」とAIに頼んで、壁打ち相手として使うのがおすすめです。
AIからの質問に答えていくうちに、テーマの輪郭がはっきりしてきます。 

生成AIを使えば、論理構成の「型」は簡単に手に入ります。
しかし、その型に流し込む「中身」を考えるのは、やはり人の仕事です。
AIを使いこなせるかどうかは、AIに渡す前に、どれだけ考えを具体化できているかに
かかっていると言えるでしょう。

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