不安とパフォーマンスの関係
最近スポーツなどの分野で「フロー理論」がいわれるようになってきています。
心理的にフローな状態だと選手のパフォーマンスが最高に引き出せるというものです。
その「フロー状態」というのはどういう状態かというと、
「時間を忘れてものごとに集中・没頭している状態」です。
皆さんも多かれ少なかれこれまで体験したことがあると思います。
気づいたら、「あれっ!もうこんな時間か!」と気づくまでの集中して
取り組んでいた状態のことです。
では、どういう状況だとフロー状態になりやすいかというと、
チクセント・ミハイというポジティブ心理学の研究者によれば、
下図にあるように、自分の現在の能力よりも少し難しいことに取り組むとフロー状態に
なりやすいと言われています。
私は、研修やワークショップの指導をしながら、受講者の心理的な状態とグループ演習成果の関係を研究してきました。
その結果、分かったのは、グループの中に図表の⑦不安ないし⑧強い不安を感じているメンバーが
いると、グループ演習のパフォーマンスが落ちるということです。
逆に、グループメンバーの心理状態が、①覚醒~④リラックスのいずれかの状態の場合は、パフォー
マンスが高くなるということです。
心配事があると、目の前のことに集中して取り組めなくて、パフォーマンスが落ちるのでしょう。
このことから、何か物事に取り組む場合は、1人の場合はその個人が、グループで取り組む場合は
グループメンバー全員が不安を抱くことなくそれぞれの持ち分の役割に集中できることが重要で
あることが分かります。
リーダーシップを取る人は、メンバーの心理的な状態にも気を配る必要があるということですね。
こうしたフロー状態の実験演習に興味のある方は、オフィス井口までお問い合わせください。