優秀な人が出世するわけではなく・・・
先週、20代の頃にいっしょに米国のシカゴ大学に留学していた人たちとミニ同窓会
があり、参加してきました。
きっかけは、ある都銀に勤めていた人が、還暦を過ぎて日本の大学の博士号を取り、
北海道の大学の教授になって帰京したので、それをお祝いするために集まろう
ということでした。
その友人は、帰国後勤めていた銀行が合併しましたが、銀行を辞めることはなく、
主に海外畑で活躍し、最後は取引先のCFOまでやったのですが、
還暦を機に一念発起して、博士課程を取り、昨年無事北海道の某私立大学の教授に
なれたのでした。
留学先での成績はまずますの人でしたが、プライドが高く、自分の考えを主張する人で、
どうも聞いていると、組織の中では必ずしも厚遇されなかったようです。
そうして、そう言えば、あの人はどうした、この人はどうなった等その後の
皆さんの消息の話題が出てくるうちに、次のように感じました。
そう言えば、留学先で成績優秀だった人が必ずしも出世していないなぁ・・・。
留学先でも学業成績が優秀な人はいました。
米国では、成績優秀者を表彰するので、誰が成績優秀者かは、すぐに分かります。
私の代にもそうい成績優秀者リストに載る人が居ました。
(その中でも特に優秀な人たちは、ベータ・ガンマ・シグマ(βΓΣ)という
経営学での成績優秀者が集まる団体に加入できます)
シカゴ大学のビジネススクール自体米国のトップスクールに属するので、
その大学に入れること自体ベースの知的レベルが高いとは言えますが、
その中でもさらに優秀な人がいるわけです。
それで、そういうリストに載った人がその後どうなったかを見たり、聴いたりしていると、
組織の中では必ずしも出世していないのです。
一方、例えば自分の勤めていた証券会社が自主廃業してしまって、外資系の投資銀行に
転職して、日本法人の代表を務めた人などは、成績はあまり良くなかった人ですが、
スポーツが好きで、ゴルフに熱中していました。
外銀では相当の額の報酬をもらったようで、その後は国内のリゾートホテルを買い取って、
自ら経営者となってやっています。
また、別のメーカーから派遣されてきた人は、その後ニューヨークで勤務し、
最終的には、日本の超大手メーカーの副社長・CFOまで務めました。
この人も成績は大したことはなく、謙虚で割と平凡に見えるゴルフ好きの人でした。
もう一人は、都銀に残り、合併された方になってしまいましたが、人事部門出身で、
順調に国内・海外支店長をこなし、最後は、大手取引先の常務にまでなりました。
この人は、人事部門の人らしく、人当たりのいい人でした。
転職した人、留まった人いろいろいましたが、組織の中での「出世」ということになると、
当たり前ではありますが、「人間関係力」が重要になり、そうしたものを備えていた人が
最終的には出世したように思います。
私などは、組織の中での「出世」を目標にしなかったので、途中で独立して
今日に至っていますが、もし、組織の中での「出世」を人生の一つの目的とするのであれば、
「人間関係力」を磨いた方が良さそうですね。
ただ、20代の若い頃の性格がその後の人生に大きな影響を与えているようにも思えますので、
ベースのキャラが重要だともいえます。
もちろん、努力して変えられる部分もあるでしょうから、その辺は心がけて行くといいと
思います。