やはり出た「ネガティブチェック質問」
先週、小半年間の研修期間を経て開催された部長クラス方々の会社への提言発表会。
聴き手は、社長以下役員陣。
4つのグループが発表を行いましたが、
予想していた通り、役員陣から「ネガティブチェック質問」が出されました。
例えば、
(1)いい提言だけど、顧客アンケートはやったのか?
(提言書には、顧客アンケート結果は示されていないので、やっていないだろう
という想定の下での質問)
(2)新規事業で売り上げを増やしたいのはいいけど、どうやって営業するの?
(具体的な営業方法について書かれていなかったので、突っ込みの質問)
(3)シナジーって簡単に言うけど、どんな新しい価値を生み出そうとしているの?
(グループ内のシナジー効果アップを狙っての提言だったので、その中身に
ついて突っ込んで来た質問)
(4)事業収支の試算をしているけど、人件費の根拠は?
(コストの試算が甘いのではないかとの想定での質問)
受講者の皆さん、ただでも忙しい業界で、その合間を縫って、一生懸命議論して
作り上げたもので、もちろん突っ込みどころはいろいろあるわけですが、
だいたい検討の弱そうなところを突っ込んできます。
いわゆる「弱いわき腹を叩く」というやりかたです。
日本人は「褒め下手」と言われます。
実際に褒め上手な人はわずかで、なかなか人を褒められません。
それは、なぜかというと、日本特有の「タテ社会」という構造の中で、
上下関係が重要で、目上の人からすると、
下手に部下を褒めて、図に乗って自分の言うことを聞かなくなると困るからです。
あくまでも部下は部下で、自分より下ということにしておかないと、
序列が崩れて、下剋上になってしまって困るからです。
なので、良い所は褒めず、欠点、弱い所を指摘してきます。
そして、内心、「お前たちはまだまだだ!」と言いたいのです。
ですので、発表者の人たちは、最初からそういうものだと割り切って、
発表会では褒められることを期待しないで臨めば、
がっかりしなくて済みます。
なので、私が使っている方法は、どの発表が一番良かったか投票してもらうという方法です。
そうすれば、発表した中で相対順位がでますから、
少なくとも、一番良かったか、2番目だったか、はたまたビリだったかが分かるわけです。
それで、ビリだったら、本当に反省した方がいいわけです。
発表会を予定されていたら、そんな工夫もしてもらうといいと思います。