リサーチバリアとその乗り越え方
新規事業や新製品の企画提案指導をしていると、受講者の中になかなか実際のリサーチ
をしようとしない人がいます。
自分でアイデアを出し、事業や商品についての仮説を構築するところまではいいのですが、
ネット検索ばかりしていて、リアルなリサーチをしないのです。
ネットなどに乗っている情報は2次情報といって、人が調べた結果のものです。
それに対して、自分の提案に直接関連したことにかんする生情報、足で稼いだ情報、
それを1次情報といいますが、それが必要になってきます。
なぜなら、もし提案しているものやことが新しいものであればあるほど、
それに関連した2次情報は世の中には存在しないからです。
しかし、口を酸っぱくして言っても、なかなか1次情報を取りに行こうとしません。
これを私は、リサーチバリアと呼んでいます。
リサーチバリアには、下表に示すようにいろいろな種類があるのですが、
一番の要因は2番目の心理的なものです。
「伝手のないところに話を聞きには行けない」
「仮に申し込んでも、断られる可能性が高い、いやきっと断られるだろう」
「断られた時のいやな気分を想像すると、とても申し込む気になれない」
とこんな心理です。
しかしながら、自分の提案することがターゲット顧客に受けるのか受けないのか、
どうしたらより良いものにできるのかといったことは、リサーチせざるを得ません。
ですから、私は、「人から断られることを恐れるな」と指導しています。
世の中は確率の世界ですから、10人に聞いて、10人とも断られる可能性は低いです。
1人でも2人でも話を聞かせせてくれる人がいればいいと思って当たっていけばいいのです。
現在同時並行で3つのグループを指導していますが、そのうちの1グループが、さっそく街頭インタビューを
やってきてくれました。
そしたら、声を掛けた人に「キャー」と叫ばれた人がいて、悲しかったそうです。
それでもその気持ちを乗り越えて50人以上に声を掛けたそうです。
そして、その結果、自分たちが考えている新しいサービスについて、貴重な情報を得ることができました。
他の2つのグループも、これを刺激にリサーチに出てくれることを期待しています。