相手に考えさせる質問法
上司の考え方が分からないとき、部下の考えを引き出したいときは、相手に対して
質問をしますが、その際に気を付けたいことが2つあります。
(1)相手の気分を害さないようにすること
→気分を害されては、答えるものも答えてくれなくなる可能性があります。
(2)必ずしも相手が答えを持っているわけではないこと
→自分が知りたいことについて、いつも上司や部下が解答を持っているわけではありません。
ですから、尋ねても答えが返ってこない可能性があります。
よくない質問法は、相手に特段の考えがないことをなじるような質問法です。
「課長は、○○についてどうお考えですか?」(あなた考えてないでしょう!)
こういう質問のされ方をすると、相手はむっとなって、まともに返事をしてくれなく
なってしまいます。
なので、仮に相手に特段の考えがなさそうな時は、逆にそのことについて考えてもらえる
ような質問をします。
「○○については、△△と□□の方法があると思いますが、どちらの方がより良いと
お考えですか?」
というように、回答に選択肢を与えて答えてもらう方法です。
そうすると、相手は、その時咄嗟に考えて、「□□の方がいいんじゃないかと思うよ。なぜなら・・・」
と考えを引き出すことができます。
こうした相手から考えを引き出す方法を、古代ギリシャ哲学のソクラテスは「産婆術」と呼んでいました。
産婆さんというのは、お産を助ける人のことで、「生みの苦しみ」と言われるように、
お産は一人では大変です。
ですから産婆さんが介助するのですが、
それと同じように、相手の中にあるものや考えを、お産を助けるように、
問いかける方法によって産み落とさせることからそう名づけられました。
上司や部下を問わず、皆さんも「産婆術」を駆使されるといいと思います。
以下は、新商品・新規事業企画指導で、私が受講者の人たちに質問を投げかけている項目です。
彼らは、必ずしもこれらのことについて事前に明確な解答を持っているわけではないので、
逆にこちらから質問を投げかけて、考えてもらうようにしているのです。