提言まとめでのリーダーシップと論理力
会社への提言まとめを指導していると、グループにより進捗に差が出て来ます。
その進捗度合いは大きく分けると、論理構成と提言内容の具体化という形で
現れてきます。
論理構成は、放っておくと最後までまとまらなくなってしまうことがあるので、
前回ご紹介したような「基本目次」を紹介して、まずは、この基本目次に
沿ってまとめなさいというふうに指導しています。
ただ、それでも論理構成がなかなかまとまらないグループが出て来ます。
また、論理構成がまとまらないと、次のステップの提言内容の具体化になかなか
進めなくなります。
今回指導している8グループについて見ると、1ヶ月経過段階で
論理構成で○がついたのが3グループ、△が3グループ、×が2グループでした。
提言内容の具体化度合いでも、同じ比率でした。
大企業の部長クラスでもこんな割合です。
基本目次があってもこの程度ですので、無ければどうなるかを考えると、
空恐ろしくなります。
そこで、どうしてそうなってしまうのか、その理由を考えてみました。
そうすると、各グループのリーダー格のリーダーシップと論理力に大きく依存することが
見えてきました。
つまり、いくらリーダー格の人にリーダーシップがあっても、その人の論理力が弱いと、
提言内容の具体化に至る前の段階で、論理をこね回したり、
メンバーとの間で論理構成についての水掛け論を展開して、
なかなか提言内容の具体化にまで進めなくなってしまうのです。
そして、メンバーのモチベーションを大きく下げてしまいます。
このことを、リーダーシップ発揮と論理力の関係ということで下表にまとめてみました。
リーダー格の人にリーダーシップと論理力があると、論理構成もきちんとして、
提言の具体化もスムーズに進みますが、リーダーシップがあっても、論理力が弱いと、
論理構成と提言内容の具体化もうまく進まないことになります。
一方、リーダーシップが弱くても論理力がある場合は、論理構成はきちんとしますが、
具体化の面で進み具合が悪くなります。
メンバーに具体化の検討をさせる力が弱いからです。
ですので、リーダー格の人は、自分のリーダーシップ力と論理力の有無を自分でわきまえて、
自分の論理力が弱いと感じたなら、他の論理力が強いメンバーに論理構成を任せる等の
ことが必要になります。
リーダーシップについては、可能な範囲で強力なリーダーシップ発揮を心掛けるようにします。