扱いにくいセミナー受講者
先週、好評なセミナーの一つである、「事業戦略立案セミナー」をやっていたら、
事後のアンケートでメタメタ書いてきた人が居ました。
このセミナーは、実践的なオンラインセミナーで、受講者の人達は、好きな場所
からzoomで講義を聴きながら、当方の戦略立案フレームワークに基づいて、
配布されたワークシートに、自社・自事業のことを書き起こしながら、
自社の事業戦略を立案して行くというプログラムになっています。
最初の方は講義中心で、受講者の人達の集中力を保つため、講義内容について
こちらからアトランダムに当てて、質問を投げかけていました。
後から振り返ると、どうもその人は、最初の方で、声掛けした人だったようなのです。
どういうことだったのでしょうか?
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講義の中で、組織と戦略に対立する考え方を紹介しました。
1つは、アルフレッド・チャンドラーが述べた「組織は、戦略に従う」というものであり、
2つ目は、その後イゴール・アンゾフが唱えた「戦略は、組織に従う」というものです。
この対立する2つの考え方を紹介した後で、その受講者の方に、
「どちらが正しいと思いますか?」
と尋ねたのです。
そしたら、もぞもぞしていて、その人ははっきり答えなかったんですね。
仕方がないので、別の人に当てました。
別の人は、すぐに「組織は、戦略に従うが、本来的なものだと思います」と
答えました。
それに対して、私は、「本来的にはそうあるべきなんですが、現実の世の中では、
本社が明確な戦略を示さないでいると、事業部が勝手な戦略を立てて遂行してしまう
ことがあるんです。ですから、本社は、常々事業部に対して明確な全社戦略を伝えるように
していないといけないのです。」
と解説して、すぐに次の話題に進みました。
すると、その答えなかった人は、以後マイクをミュートにして、「耳だけ参加」に変えて
しまい、自分に声を掛けてくれるなという姿勢になり、
そして、一日の講義終了後に、アンケートで、「いい大人を、学生扱いしないでくれ!」と
怒った感じのコメントを書いて出て行ったのでした。
どうも、他の人に質問を振ってしまったことが、失礼なことをされたと思ったようです。
ただ、当方は、オンラインで、その方の会社と名前しか分からず、顔出しもされず、
役職もどのレベルの人か分からないのに、うやうやしい対応をするわけにもいかず、
先ほどのような「飛ばす」という対応になったのですが、
イタチの最後っ屁のようなコメントを後で書かれても困りますね。
こういう「メンツを重視する」タイプの受講者の方がたまにいます。
社内では、それ相応の地位の方なのでしょう。
なので、常平生から下の人達からよいしょされているのだと思います。
ただ、こうしたオンラインセミナーのような場は、「道場」のようなものですから、
上下関係なく、自分の意見・考えを戦わせる格好の場だと思うのです。
それを自社内のようにメンツを立てて、うやうやしく扱ってくれと言われても
困ってしまうんですよね。
それと、そういう人が「正解」を当てられるようにいろいろとヒントを出す等の
丁寧なことをやっている時間的余裕はありません。
何かいい対処方法をご存じの方がいらしたら、ご教授ください。