企画に足りない視点の補い方
先月、社内向けに提言を行うシリーズ物の研修の役員向け中間報告会があり、
その中の1つのグループが、グループ内でのナレッジシェアをテーマにした
提案を行いました。
その際に、聞いてくれていた役員の中に、「過去にも似たような話があり、
いずれもうまく行っていない。君たちが言うように、最近流行りの生成AI
ツールを使うだけで、うまく行くとは思えないんだが・・・」。
と、厳しい突っ込みがありました。
確かに、生成AIに社内のDB検索を行わせれば、既存のシステムやDBを
改修しなくても済みますが、それだけでナレッジシェアが進むとは考え
にくいですね。
それで、事後の振返りセッションで、私から、あるフレームワーク(枠組み)
を使って再検討してみてはどうかとアドバイスしました。
そのフレームワークとは、「エクセレント・カンパニー」の著者であるトム・ピータースが
提唱した7Sモデルでした。
マッキンゼー出身のトム・ピータースは、新たな戦略(Strategy)がうまく行くには、
戦略そのものが的確なものであるだけでなく、
その他の6つのSの要素も揃っていなければならないとしました(下図参照)。
戦略(Strategy)を含む7つのSは、さらにハードのSとソフトのSに分かれますが、
いずれにしろ、Shared Valuesを含む7つのSが同じ方向を向いて、整合性が取れている
必要があります。
その7Sモデルを今回の提言に当てはめて、ナレッジシェア戦略をうまく行かせるには、
どのような施策を取り行う必要があるのかを、明確化してはどうか、とアドバイスしたのです。
そして、1ヶ月経過した先週、彼らが自分たちの提言を組み替えたものが出て来たので、
レビューしたら、この7Sモデルを使って、提言の厚みが増していました。
まだ、最終報告までにはブラッシュアップの必要性がありますが、まずは不足する視点を無くす
ことで、自分達の提言のスコープを的確にすることが出来たのでした。
ビジネスフレームワークには、この他PEST分析や4P・4C、3C分析等いろいろなものが
ありますが、やはり、企画を行う場合は、そうしたテーマに合ったフレームワークを的確に使って、
提言の抜け漏れを防ぐようにする必要がありますね。