研修の演習課題で生成AIを使用する人
先週、1月に実施した企業研修のリピートで、同じ階層ですが、別の受講者を
対象に2日間の研修を行いました。
その中で、ロジカルシンキングの演習課題を行うのに、手元のPCで生成AIを
使って、回答を出してくる人たちがいて、手を焼きました。
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例えば、身近な事例で帰納法と演繹法の事例を述べなさい、という演習課題について、
各人ノートPC持参を前提としているので、
WiFiがつながる自分のPC上で、ChatGPTを使って、
「帰納法の事例を教えてください」とか
「演繹法の事例を教えてください」とか入力して、
解答例を引き出し、
「はい、出来ました!」
とやられるのです。
生成AIは、使えないよりは使えた方がいいので、禁止にはしていません。
また、生成AIは、嘘や間違いの回答を出してくることも皆さんご存じなので、
その辺りを分かったうえで使ってもらえればいいのですが、
中には、困った人がいます。
こちらが、「その回答例は、こういう部分のロジックが弱いですね」とか、
「こういうケースには、当てはまらないですよね」とコメントしても、
たぶん、生成AIの回答が正しいと思い込んでいるのか、
「いや、ただ、ChatGPTはこう答えている」等と
言って、なかなか引き下がらないのです。
そういう場合には、論理的な根拠を尋ねるのですが、
向こうに論理的根拠はないので、ただ講師に食って掛かりたいというだけなのかは
よく分かりませんが、堅物の人がいて困りました。
ネットの時代なので、ネット検索して定義や内容を調べて意見を言ってくる人が
いるのは当然としているのですが、生成AIが出て来て、変な意味で厄介になっていますね。
生成AIは活用してもらってもいいのですが、
(1)正しいことを述べているのかどうか、その正否の判断ができること
(2)単なる知識としてではなく、その背景にある理論や考え方、判断根拠等
をよく分かったうえで、活用するようにして、
単に依存したり、過信したりするのは避けたいですね。