ペースが上がってこないのはなぜ?

先日、毎年行っている階層別研修を2日間実施しました。
対象は部長クラスで、途中で演習課題がいくつかあり、これまでだと課題を
こなすごとにペースが上がって来ていたのですが、今回の人達は、なかなか
ペースが上がってこなくて困りました。

時々様子を見に来ていた人事の責任者の人も、「なんか、今年の連中は、
ゆっくりしているね」と呟いていました。

困るのはこっちの方で、だんだんペースが上がることを前提にカリキュラムを
組んであるので、上がってこないと一通り終えられなくなってしまう可能性
出てきます。

これまでの経験で、ワークのさせ方や発表の仕方で、結果として時間調整は
できたのですが、やはり思ったようにはいかなかったので、重い気持ちで
帰宅しました。

そして、翌朝、柔軟体操をしながら、振り返るともなく振返っていたら、
「はた!」と気づいたことがありました。

それは、2点ほどあって、
(1)受講者のリーダーシップスタイルの偏り

(2)入社年次=世代
です。

(1)受講者のリーダーシップスタイルの偏り
研修の冒頭で各人のリーダーシップスタイルを自己診断してもらっているのですが、
通常では、A~Fまで6タイプあるうちの半数程度に収まるC.調和型とE.民主型の
合計比率が9割を超えていたのです。

逆に言うと、他のタイプの人がほぼ居なかったのです。

これらCやEのタイプは、M軸:人間関係軸に重きを置くタイプで、
P軸:パフォーマンスにはあまり重きを置きません。

このため、グループに分かれて討議を行ってもらったのですが、グループ内の融和・合意形成を
重視して、時間通りに終えるとか、クオリティの高い成果物を出すということが二の次になって
しまったようです。

通常では、グループ内に1人以上はP軸:パフォーマンス重視の人がいるので、頑張ってくれるのですが、
そういう人がどのグループにも居なかったわけです。

なので、仲良しのマイペースグループばかりになってしまって、他グループも出来てないから
ウチもいいだろう的にずるずると行ってしまったのだと思います。

それでも、発表後にはグループ発表の優劣を付けているので、少しは刺激になっていたかとは
思うのですが、こちらが期待するほどには効果がなかったようです。

しかし、こういう人たちが部長職だと、予算の達成度も悪くて、会社としてはまずいんじゃないか
と思いますがね。

(2)入社年次=世代
今回、受講者対象になった人たちは、皆、90年代入社の人達でした。
年齢層に多少バラツキはありますが、バブル崩壊後に入社して、同期も少なく、何より部下無しで
課長クラスまで来てしまった人が多いはずです。

このため、仕事と言えば、プレーヤー時代が長く、後輩の指導経験も少なく、マイペースで仕事を
やって来た人が多いのではないかと思います。

なので、グループとしてパフォーマンスを上げようといっても、ふだん仕事でやり慣れているわけでなく、
しかも、わずか2日の研修での演習とグループ討議ですから、「無難にこなそう」くらいにしか
考えていない可能性が高く、のんびりマイペースになってしまったのではないかと思われます。

しかし、こうしてみると、今後、研修の進め方も、受講者の人達の育ち方や、キャラクター(人となり)
等も考慮して進めなくてはならない時代になってきて、難易度が高まりそうです。
それでも、自分なりに「?」の理由が分かって良かったです。

何か、お気づきの点のある方がいらしたら、メッセージ下さい。

 

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