利害関係者論から考える政治家の役割
週末に参議院選挙の投開票があり、与党である自民・公明が大きく議席を減らし、
逆に議席を伸ばしたのは、国民の不満の受け皿となった国民民主党と参政党で
した。
立憲民主党を含めその他の野党がそんなに伸ばしていないところを
見ると、3年前に与党支持だった人たちの多くが、この2党に大きく流れたんでしょうね。
さて、私は、年に何回か経営企画部門の方々向けに「経営企画の基本」セミナー
を開いていますが、その中で、「経営者の役割」という話をしています。
今回は、その経営者の役割から見た「日本の政治家の役割」について考えて
みたいと思います。日本の国を一つの会社としてみた場合に、その経営者である
日本の政治家の役割が見えてくると思います。
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まず、企業経営者=社長や取締役の果たすべき役割とは何かという話ですが、
これには「利害関係者論(ステークホルダー論)」という理論があり、
企業には、顧客や株主をはじめいろいろな利害関係者が居て、その利害というのは
必ずしも一致しているわけでなく、利害関係者ごとに異なるとされています。
顧客は安くて良い品を、株主は利益増を、社員は給料アップをというように
相互には相いれない利害もあるわけです。
しかし、経営者の役割というのは、その利害関係者の利害調整をうまくやって切り抜けて
いくことだと言われています。
つまりどれかの利害関係者の利害を優先するのではなく、まんべんなくみんなの利害を
充足させていかなければならないというのです。
この解を得ることは、難しいことではあるのですが、すべての利害関係者を満足させられる方法が
一つだけあるのです。
それは、「社業を発展させる」ということで、会社を大きくしていくことなのです。
会社が大きくなれば、量産効果で単価は下げられ、顧客は喜びます。
仮に単価は下がっても、たくさん売ることで、利益を増やすことができ、株主は喜びます。
また、売上を伸ばすことで取引先との取引高も増やせますし、
社員にも早い昇進や給与アップの機会が訪れます。
また、利益が増えることで納税額も増やせます。
つまり、社業を発展させられれば、みんなパッピーになれるのです。
このように「社業を発展させられる」経営者がいい経営者となるのですが、
これを国に置き換えてみるとどうでしょうか?
そうすると、国内には老若男女いろいろな国民がいて、働いたり、生活しています。
そして、様々な事業者がいて、人を雇って事業活動を行っています。
地方自治体もありますし、そのサービスを提供する人、受ける人がいます。
このようにいろいろな利害関係者がいますが、
政治家が「国を発展させる」ことで、そのいろいろな利害関係者を満足させることが出来る
ようになるのです。
そうだとすると、一番大切なのは、GDP等国の富を増やすことであり、国民の所得を上げさせ
られることであるはずなのです。
そうすれば社会保障も、1人当がより少ない負担で、よりよいサービスを受けられるようになるはずです。
しかし、バブル崩壊以降不良債権処理に長期の時間を掛け過ぎ、GDPが停滞し、中国や
ドイツに抜かれ、1人当りGDPで言うと韓国にも抜かれてしまっているような事態になっているわけです。
一方企業の方は、円高以降海外に出て、海外で売り上げを伸ばし、不採算事業については
リストラも行って、財務体質も良くしてきました。
ですから、企業の売上・利益は伸びてきたわけです。
そうした企業の経営者が社業を発展させることに務めてきたことを考えると、
日本の政治家は、どれだけ国を発展させることに務めることが出来たか、はなはだ疑問が
残るわけです。
ですので、戦後80年経ったところで、もう一度振り返って、「国を発展させる」「国を
富ませる」にはどうしたらいいかということを考え直す時に来ているのではないでしょうか?


