どんな提言が評価されるのか?

先日、B2Bビジネスの業界で、半年間の研究成果を発表する提言発表会がありました。
私も長年指導をしてきているので、だいたいどういう提言が評価を受けるか見当が
つくのですが、今年は意外な評価結果となりました。

具体的な提言内容は言えませんが、提言の種類としては、以下のようなものが
ありました。

(A)国家レベルの研究に役立つ革新的な提案

(B)もともと業界が対象としている業界・商品に対する新商品提案

(C)エンドユーザー向けの高齢化社会に向けたトレンド商品提案

(D)従来対象として来なかった業界・商品についての新用途提案

皆さんは、どう思われますか?

私自身の事前の想定では、(A)がぶっちぎりで優勝するかと思っていた
のですが、意外にそうでもなかったのです

さて、では、実際にはどうだったのでしょうか?
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その評価結果ですが、
その場で手上げ方式で一番良かった提言を選んでもらったのですが、

(A)と(B)が同数で同率1位
続いて(D)、最後が(C)となりました。

やはりB2Bビジネスの方々には、エンドユーザー向けのモノの勘所はよく分からないのでしょうね。
(C)の評価が一番低くなりました。

一方、(A)がぶっちぎりかと想定していたのですが、意外にもネタ的には既視感のある(B)が
(A)と同数の評価を得たのです。

これには私も驚きました。

まあ(D)は、あまり親近感の無い業界なので、果たしていいのか悪いのか評価しにくいということ
があったかと思います。

それに対して、皆さんよくご存じの業界についての新商品提案で(B)が躍進するとは想定外でした。
なかなかこういう良く知っている業界のことについては、「あれやこれや難しい点があるよ」と、
評価が厳しくなりがちなのですが、それを覆して高い評価を得られたのはなぜでしょうか?

事後つらつらと考えた理由は、一言でいうと、プレゼンの完成度が高かったからではないか
ということです。

つまり、
(1)テーマ選定理由の明確さと重要性
(2)テーマの現状と原因分析、課題設定、解決策案、具体的な施策案と
内容が論理的かつ実証的で、整合性もあり、
(3)かつ解決策案には本人たちのアイデアが盛り込まれた創造性も見られ、
(4)試作・実験による仮説検証も行われ、
(5)提言内容に関して業界関係者の後押しコメントももらえ、
(6)プレゼン資料も美しく出来ていて、
(7)プレゼント―クも淀みなくうまくて、
(8)事後のQ&Aも完璧にこなしていた
というプレゼン全体の完成度の高さが評価されたのではないかと思った次第です。

ですから、新しいテーマであることも重要なのですが、プレゼン自体の総合的な
完成度の高さも重要だということがよく分かった回ではなかったかと思います。

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