「話し方」から「語り方」へ

最近、「話し方」の本が良く売れています。『人は話し方が9割』等何10万部と発行されています。
それだけ話し方に関心が寄せられているということでしょう。

特に、コロナ禍になってからは、リモートワークになったので、オンラインで画面越しに
コミュニケーションを取る必要が出て来て、「伝わらなさ」や「オンラインでの孤独感・孤立感」を
感じている人が多くなっている所為もあるでしょう。

今年初め、あるオンラインの集まりで、ある経営者の方が、「正直、去年はリモートでノイローゼ
気味になった。」と告白されていました。

ふだん、待ったなしの仕事で、リアルで指示を出して丁々発止やっていたものが、オンラインに
なって、うまく伝わらないもどかしさや、成果実感を感じにくい中で、心を病んで行かれたので
しょう。

そうしたこともあって、「伝わる話し方」に関心が寄せられるようになっているのだと思います。

ただ、中身を見て見ると、「こういう言い方はしない方がいい」「こういう言い方をした方がいい」
「タイトルは○○文字数に納めなさい」等、知識として役に立たないわけではないですが、
小手先のテクニックに走った話題が多いことに違和感を感じています。

コミュニケーションの目的を考える際に、まず「伝わる」ことは重要なのですが、今の時代、
さらにその先の「賛同してもらう」とか、「相手の心を動かす」「考えを改めてもらう」という
レベルまで必要なケースがあり、それは、小手先のテクニックでは、補えないものです。

これを、私は「話し方」をさらに深めて、「語り方」と呼んでいます。
自分自身の想いを語る場合は、「語る」を使います。「想いを話す」だと、意味合いがだいぶ
軽くなりますね。
「語る」という言葉の方が、「話す」よりも、重い意味合いが込められています。

コミュニケーションの目的と手段という考え方から言うと、「話し方」と「語り方」は、
以下の表のように区別されると思います。

そして、「語り方」の重要な手段として、「ストーリーテリング」(物語を語る)が来ます。
プライベートなことでもストーリーテリングはありますが、ビジネスで使われるストーリーテリング
を、特にビジネスストーリーテリングと呼んでいます。

ストーリーテリングが有効なシチュエーションは、「自分を理解してもらう」等7つの分野が
ありますが、オフィス井口では、「語り方」の指導を含めて、研修等のワークショップで実施
しています。

 

 

 

 

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