KPI設定に悪戦苦闘

先週、中計策定を支援しているある中堅企業で、KPI設定ワークショップ
実施しました。
中計そのものは、経営企画スタッフ中心にまとめられるのですが、各本部や間接
部門にKPI設定をしてもらうとなると、強面の部長さん達もいらっしゃるので
こちらでファシリテーションを頼まれました

本社の1Fの大会議室に各部門の部長さん達が集まり、なかなかものものしい
雰囲気です。
こんな風に総勢揃い踏みすることは珍しいそうです。

さて、一通り経営企画のガイダンスが終わると、私の出番で、例によってミニ講義と演習、
グループ討議を
組み合わせたワークショップをスタートさせました。

中には、早速こちらの講義内容に突っ込みを入れて来る人もいましたが、そこは
慣れたQ&Aでかわして、本題の各部門のKPI設定に切り込んでいきました

問題は、そこから先で、実際に各部門の実態、事業内容に合わせてKPI設定を
してもらわなければならないので、「出来ない」で終わってしまってはいけない
わけで、持ち帰って宿題として取り組めそうだというところまで持って行かないと
いけません。

しかし、中にはのっけからスタックして先に進めない部門が出てきました。

グループ討議の様子を覗いてみると、発言力の有りそうな方が、
そのグループのディスカッションをリードしています。
しかし、尋ねてみると、どこを攻めるかまだ決まっていない新規先別の売上高目標を
設定しようとしていて、メンバーから積極的な発言を引き出せないでいたのです。

私から、「それって、今日中に決められないんじゃないですか?今日のワークショップは
KPIの設定の仕方を学ぶものなので、今後いろいろと調べた上でないと決められないこと
をここで議論していてもしようがないんじゃないですかね?」
と問いかけました。

すると、そのリードしている人が、「いや、すでに分かっている既存先のことを話しても
意味がないと思って・・・」と食い下がります。

結局、そのセッションはタイムオーバーとなってしまって、そのグループが一番遅れている
ことが分かったので、彼らは討議テーマを替えて取り組むこととなりました。

こういう話は、ごく一例ですが、慣れないKPI設定をやっていると、
いろいろと壁にぶち当たります

ですので、皆さんが疑問に思っていること、スタックしていることに対して的確にアドバイス
してあげないと、「出来ない!」とか「出来ないことをやらせる方が悪い」とか、
「そもそも考え方が良くないんじゃないか?」等、いろいろな意見が出て来て
収拾がつかなくなるので、要注意です。

KPI設定で行き詰りやすい点には以下のようなものがあります。
(1)ただひたすら売上目標を細分化して、活動とその目標の議論に進めない
(2)数値目標だけ明確で、あとは抽象的な方策の列挙になってしまう
(3)新規の活動など、やったことのないことについて目標設定しようとして手が止まる
(4)KGI(成果目標)とKPI(プロセス目標)に分けらない

結局、その日は、そうした問題にぶち当たった人たちをリードしながら、
3つのパターンのKPI設定に取り組んでもらい、後は宿題となったのでした。

最後の方で、ワークショップの様子を後ろでご覧になっていた経営企画室長から、
「いやぁ、今日はありがとうございました。彼らもずいぶんと勉強になったこと
でしょう」と言って喜んで頂きました

 

Follow me!