新種の受講者3態

先週、(水)~(金)の3日間、缶詰で係長クラス(30代前半)の人達の研修を
実施しました。
過去10年間続いている研修で、毎年ほぼ同じプログラムをこなしているので、
その中で、受講者層の出来不出来、受講態度の違い等を感じ取ることができます。

今年実施してみて感じたのは、新しいタイプの受講者が出てきているということ
です。

類別すると3タイプの人達がいました。

第1のタイプ:バカボンのパパタイプ
バカボンと言えば、赤塚不二夫のマンガの主人公ですが、そのバカボンのパパの
決め台詞(ぜりふ)に
「これでいいのだ!」というのがあります。

第1のタイプの人は、講師から修正のアドバイスを受けても、直そうとしない人たちです。
昨年まではそういう人はいなくて、皆、こちらの修正アドバイスを受け入れてくれていたのですが、
今年は、20名中、少なくとも2名はそういう人がいました。

一人ずつ発表させて、講師講評をして、適宜アドバイスをするのですが、
それを受け付けないのです。
あまり頑ななので、周りの人にも尋ねてみたのですが、その人との人間関係を気にしてか、
「このままでもいいと思います」とその受講者に同調するものですから、
ラチがあきませんでした。
最後は、後ろの事務局にまで尋ねてみたのですが、「詳しい業務の話は分かりませんので」と
逃げられました。

結局、後で発表してくれた良く出来た人のアウトプットを参考にするようにという
話でキリを付けました。

第2のタイプ:先回りタイプ
発表内容に不備があり、必ずも良く出来ていないので、「後で上司に確認して修正して再提出
してください」とした人がいたのですが、
「上司には確認済みです」と先回りした行動を取っていて、直そうとしない人がいました。
先回りタイプですね。
このタイプも今年初めて出てきました。

受講者には、毎年、事前課題に取り組ませ、それを材料にして研修中に成果物を作らせて、
さらにそれを一人ずつ発表させ、その出来が良くない場合は、事後上司に相談して直させて、
再提出させてきていました。

これまでは、事前に上司に相談したという人は居なかったのですが、
今年は、少なくとも3名はいました。

先回りして外堀を埋めて、宿題として持ち帰らなくても済むようにしたいということなのだと
思います。

ただ、「事前に上司に確認した」といっても、上司がどの程度深く関与したかは分からず、
本人が、「研修資料ですが、これでいいですか?」と形式的に上司の言質を取ってきた可能性もあり、
なかなか厄介なタイプです。

こちらとしては、出来が悪ければ、上司の言質など構わず、「いいから直せ!」と言いたい
ところですが、高圧的に言うことも出来ず、
「講師から、このような指摘を受けたのですが、どうでしょうか?」
と再度上司に聞いてみることをアドバイスしました。

第3のタイプ:終了後も粘るタイプ
総勢20名への個別フィードバックが終わり、何とか10分オーバー程度で済んだので、
やれやれと思って、片づけをしていると、立っている私の前にパソコンを持って現れ、
画面を見せながら、「先ほど指摘を受けた点を、このように直したのですが、
見てもらえますか?」と言ってきた人がいました。

周りを見渡すと、他の受講者は、皆、荷物を片付けていなくなっていました。
その人だけ、居残って、粘って来たのです。

確かに、発表の順番が前の方で、自分の発表と講評が終わり、他の人が発表している間に
修正する時間はあって修正したのでしょうが、事務局挨拶も終わった後で、
その修正内容を確認してくれとやって来る人は今回初めてでした。

よほど宿題で持ち帰りたくなかったのでしょうね。

ないしは、上司に、事前に見てももらっている手前、研修時間中にOKが出た
と報告したかったのでしょうか?

ただ、こちらとしては、立ち上がって片づけをしている最中で、落ち着いて
確認ができないので、
「まぁ、そう焦らず、もう一度よく確認してから再提出してください」
と言って、やんわりと断りました。
すると、残念そうに引き下がって行きました。

ということで、初めてのタイプの人が都合3タイプいました。

講師業をやっていると、「この受講者は明らかにおかしいぞ」と思われる人も
いますが、そう言っていると「頑固おやじ」になってしまうので、受講者層の
変化を感じ取りながら、そうした変化にも対応していけるようにしなければ
ならないと肝に銘じています。

これからも、いろいろな新タイプの人達がでてきそうですね。

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