目標の高さの適正水準は?
目標を立てるときに、どのくらいの高さの目標にしたらいいか、悩みますよね。
低い目標は、簡単に達成出来るのはいいのですが、大したことにはなりません。
出来ても、あまり嬉しくないですね。
一方、あまり高い目標を立てると、逆に「そんなこと出来るんだっけ?」と逆に
不安になり、取組みが進まず、結果として何も達成できないことになったりします。
では、どの程度の目標の高さが適正なのか?
ある書籍で、学校での実験結果が紹介されていましたので、それを下記に紹介します。
下のグラフは、ある学校で、次のテストで取りたい点数について生徒に目標を立てさせて、
試験を受けさせた結果を示すグラフです。
これによると、前のテスト結果に対してプラス1割=10%アップと設定した生徒の結果が
最も良かったことを示しています。
特に目標を設定しなかったり、+30%等高すぎる目標を設定した場合は、あまりよい結果を得られていません。
このことからすると、生徒=一般の人にとって、頑張って結果が出せる適正な目標の高さの水準は10%アップ
程度だということになります。
そう言えば、それくらいなのかもしれません。
10%アップ位なら、出来るかもしれない、やったら出来るんじゃないかと思えて来て、取り組む意欲が
湧いてくるのではないかと思います。
ただ、これは学生の勉強に対するものですから、他社との競争にさらされている企業活動でも同様で
いいかというとそうはなりません。
競争に打ち勝っていくには、他社より高い目標を設定して、頑張って行かないと、やがては競争に
負けてしまうことになります。
ただし、経営者や管理者として知っておかなければならないのは、普通の人にとっての適正な目標の水準って
この程度だということです。
それをどう鼓舞してより高い目標に挑ませるのか、またPDCA等を通じてより高い目標を達成させるのかが、
マネジメントの課題となってくるわけです。
MBO(目標管理)を導入していて、本人に目標設定させる場合は、本人から自発的に出てくる目標は
10%アップ程度だと分かっておいて、それからどうするかという問題になるわけです。