「深堀りが足りない」と言われていますが・・・

先週、今年から始めた演習主体の「実践的企画講座」の第2回を開催し、受講者
の方から冒頭のような相談がありました。

この講座は、私がこれまで20年近くに亘って指導してきたアクションラーニング
型の社内提言講座のエッセンスを1日に凝縮して、演習主体のセミナーに仕立て
たものです。

ここでは、社内提言に使える標準的な目次を示しつつ、受講者ごとの問題意識に
基づいたテーマについて、その目次に沿って企画提案書を構成していくもので、
かなり実践的なものです。

今回は、11名の方に参加頂いて、それぞれのテーマに沿って、企画書の内容を
検討してもらいました。

その中で、大手の企業に勤めるある方から、「自分は、上司から、『考えが浅い。
深堀りが足りない』と言われているのですが、どうやったら深堀出来るようになるので
しょうか?」という、なかなか深い質問を頂きました。

そこで私は、事例を示しながら、次のようなポイントを紹介しました。

1.視野を広く取る
 ー分析が浅い人は、問題点や事象のみに捉われていることがあります。
-それに対して、深堀する人は、その問題点や事象が関わる周辺にまで目をやって、
広い視野でその問題点や事象を捉えようとします。
例えば、営業で起きている問題点があったとしたら、営業についてだけ調べるのではなく、
開発や製造にまで範囲を広げて検討を行います。

2.原因分析を深く行う
 -分析が浅い人は、発生している問題に対して、対症療法的、またはモグラたたき型の
解決策を考案して、それで良しとする傾向があります。
 -それに対して、深堀する人は、なぜそういう問題が起きるのか、その原因はなぜなのか
  を深堀します。そして、一段掘り下げるだけではなく、さらに二段、三段と掘り下げようと
します。ちょうど「トヨタのなぜなぜ5回」は、その深堀の必要性を説いているわけです。

3.根底に横たわる構造や本質的な問題を突き止める
 ー分析が浅い人は、表面的な原因や理由を突き止めて満足してしまいがちです。
 ーそれに対して、深堀する人は、そうした問題点や事象が起きて来る構造的な原因や、
  本質的な要因まで突き止め、再発防止を心がけます。

なかなか言うは易く、行うは難しのテーマですが、日ごろからそうした思考のトレーニングを
積んでいると、いざというとき、深く考える回路出来ていて、それが動きだします。

 

 

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