目標をストレッチさせる方法
先週、新規事業のワークショップの第5回があり、前回事業収支で一喜一憂した
人達に対して、事務局から「もう少し目標を上げさせられないものか?」と
ご依頼があったので、トライしてみました。
通常は、前回第4回時に行った事業収支で、強気・期待・弱気の3ケースのうち、
強気ケースが最大値になるのですが、それよりも上を期待しているとのことでした。
そこで、私が思いついたアイデアは、強気より上のSS(スーパーストレッチ)
シナリオを検討させるというもので、わざわざワークシートを新調して、
取り組んでもらいました。
しかし、結果は、強気ケースどまりになってしまい、失敗でした。
しかし、不思議なことに、その後あることをやってもらったら、いとも簡単に
強気ケースを超えて行きました。
さて、それでは何をやってもらったのでしょうか?
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答えは、「ビジョン・ストーリーを書いてもらう」でした。
ビジョン・ストーリーとは、望ましい将来像をショートストーリーの形で書いてもらう
もので、新規事業の事業計画作成や中期経営計画策定等の際にプロジェクトの皆さんに
取り組んでもらっています。
もともと「ビジョン・ストーリー書き」は予定に入れていたので、
SSシナリオが失敗した後、「仕方ないから、ビジョン・ストーリーでも書いてもらうか」
と思って、取り組んでもらいました。
平均50歳を超えた受講者の人達でしたので、ビジョン・ストーリーの内容にも
あまり期待しないで、比較的簡易的な方法でビジョン・ストーリー書きに取り組んでもらいました。
すると、書いた後のグループ内発表会で、「おおー」とかいう歓声や、「パチパチ」と
拍手が聞こえて来たのです。
私も耳を澄ませて聞いていると、皆さん、いろいろと自分の想いを書いていらっしゃいました。
ある営業系の方は、大学を訪問して、自分たちの事業をリクルートのアピールに使ったり、
ある技術系の方は、海外の歴史的建造物等を引き合いに出しながら、それになぞらえて
自分たちの仕事の意義を強調したりしていました。
また、中には、自分達の仕事の結果、外国人観光客から感動される場面を描いた人もいました。
そうした相互発表の後に、将来の目標を書いてもらったら、
急に一桁売上目標が上がったのでした。
こちらが目標を引き上げよう、引き上げようとしてもなかなか上がらなかったものが、
こういうことによって、自発的に目標が引き上げられたのでした。
図らずも、こうしたことにビジョン・ストーリー書きの効果があることが分かったのですが、
自分達が心から望むことを具体化してもらうと、目指すレベルが上がるという
いい事例になったと思います。
参考にして頂ければ幸いです。