社会人大学院生からのフィードバック
連休前に実施した立教大学の社会人大学院LDC(リーダーシップ開発コース)の
授業に対するフィードバックが送られてきていました。
すぐにゴールデンウィークになってしまったので、休暇中の暇なときにでも見て
見ようと思っておいてあったんですが、先日、一通り目を通してみました。
この学校では、受講生をわずか20名に絞っていて、それでも人気があるので
狭き門となっているようですが、その分優秀な人たちが多く、その20名全員から
感想が寄せられていました。
分量がなんとA4サイズで14ページもあり、1人当り1ページの7割程度を書いて
来ていることになり、読むにも気合が要ります。
さてさて、どんなコメントが書かれていたのでしょうか?
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テーマが「中期経営計画」と「財務分析とROIC」だったので、
それ関連のコメントが多かったのですが、受講者が人事関係の人たちなので、
財務関係は少なく、中計関係が多かったですね。
曰く、
・自社で作っている中計は、フォーキャスティング型でストレッチした目標になっていない。
・うちの会社はバックキャスティング型で作っていて目標も高く掲げているが、
達成できないことが多い。なので、どっちがいいのか分からない。
・経営陣が保守的なためフォーキャスティング型で作っているため、
業績の伸びも少ない。
・バックキャスティング型で高い目標を設定しても、それを実現できる戦略
の方が重要ではないのか?
・前に居た会社では、コンサルに中計を作ってもらっていた。
・「もし目標が達成できなければ評価が下がる」と、子会社側は前向きに検討しない。
結果的に、数字合わせの妥協の産物になり下がってしまっている。
・稲盛さんが、中計なんか作っても意味がないと言っていたので、中計は要らない
のではないか?
・バックキャスティング型でやっていてうまく行っている会社の例を知りたい。
等々といろいろとありました。
恐る恐るそれらを読んだ後、私は、とても社会人らしい学びがあって、いいこと
だなぁと感じたのでした。
どういうことかというと、学部の学生にこうした話をしても、一般論や、理論、
著名な企業の方針、やり方を取り上げて、肯定に回ったり、否定に回ったりと
いろいろ理屈を捏ねるのですが、実態・実務を知らないので、空疎な議論に
終始しがちなのです。
それに対して社会人大学院の学生さんたちは、自社・自身の経験と照らし合わせて、
理論を検証したり、理論を当てはめたりできるので、学びが深くなるのですね。
また、同期で受講している他社の考え方やプラクティスも参考になります。
そういう意味では、一度企業で実務を体験してから、こうした社会人大学院で
再度学んだりすると、理論と体験・実務が結びついてきて、より深い学びが
得られるのではないかと思いました。
特にマーケティング等では有効でしょうね。