タコ壺化しやすいタテ社会

先日、コンサル先の経営企画の人たちとオンラインミーティングをしていて、
社長が月次のPDCA会議で知りたいと仰っていることにどう対応したらいいか相談をしていました。

こちらからは、定型の予実差の説明資料だけでなく、BIツール等を導入して、その場で
分析できるようにしてはどうかとアドバイスし、BIツールの紹介等をしていました。

そしたら、2回目の打ち合わせに経理の人が出て来て、
かくかくしかじかで、すでに出来るようになっているというじゃありませんか!

「えっ!?どういうこと?」

経営企画の人が、経理でやっていることを知らなかったのですね。

私は、その場で、「もっと社内情報共有を」とアドバイスしたのですが、
そんなに大きな会社でなくても、こういうことってあるんですね。

それは、日本人が作る組織の特徴として、「タテ社会」というのがあり、
組織は上から下に向かって形成され、上下のコミュニケーションはいいのですが、
横同士のつながりが希薄になってしまう特徴があるということなのです。

「タテ社会」は、1967年に社会人類学者の中根千枝さんが、社会人類学の観点から分析した
日本人が作る組織の特徴を言い表した言葉で、それは、日本人が人とかかわる際の
人間関係に由来しているので、長く維持されて来ていて、現在も基本的に変わっていません。

このため、組織の下の方に行くと「タコ壺化」しやすくなり、組織の間には目に見えない
壁ができ、コミュニケーションが悪くなるのです。

ですので、組織の中にいる人間として重要なのは、横の情報共有です。

トヨタ自動車は、日本企業には珍しく横の情報共有が活発に行われている会社です。
それは、おそらく過去の経営者が、日本人のタコ壺化しやすい特徴を分かっていて、
意識的にそうさせないように努力してきた、指導してきた結果ではないかと思います。

ですので、企業・組織の中では、意識して横の情報共有を行うようにする必要があるわけです。

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