あえて「ディベート」を取り入れてみると・・・
今年度から始まった関西方面の会社でのアクションラーニング型研修プログラム。
比較的若手の人達を対象に実施していて、3月には経営陣向けに提言を行うこと
になっていますが、なかなか提言内容が煮詰まってきていませんでした。
先週、ワークショップを行った際も、あるグループ等は提言の骨子が、リサーチを
行う等となっていて、聞いていて、呆れ果ててしまいました。
仕方が無いので、研修の中で提言内容の具体化を促し、さらに奥の手として、
「ディベート」を取り入れてみました。
すると、意外な効果がありました。
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ディベートというのは、通常、下記のようなプロセスで、A:肯定側、B:否定側、C:ジャッジ(判定者)側
に分かれて、討議を行うもので、一番わかりやすい例は裁判です。
A:検事がいて、B:弁護士がいて、C:判事がいるというものです。
これは、あえて立場を分けて、あるテーマについて、それを肯定する側と、否定する側に分かれて、
それぞれの持論を展開させ、最終判断は第3者であるジャッジが行うというルールに則った討論ゲームのような
ものです。
これまで、各グループの提言内容については、他グループやメンターからの「アドバイス」はあったのですが、
なかなかアドバイスが聞き入れられず、「やっぱり自分達の考えはこうだ」的な姿勢が目立ち、
結果として、提言が深まらないという堂々巡りを繰り返していました。
それに対して、あえて立場を明確にして、その提言の甘さを突くディベートが展開されると、
さすがに、自分たちの提言内容の甘さ、論理構成の甘さに気づかされます。
その結果、提言の骨子を組み立て直すとか、提言内容がより深まることになったのです。
今回は、メンターの方々にもあえて否定側に入ってもらい、辛口のコメントをしてもらいました。
その結果、今までメンターの立ち位置としては、アドバイス程度しか出来なくて、突っ込みたくて
もなかなか突っ込み切れなかったことが、しっかりと突っ込むことができ、
「新しいやり方を教わった」と好評でした。
これは、単なる突っ込みや否定ではなく、あくまでも「役割に則った突っ込み」なので、
恨みっこなしで、正々堂々と突っ込めたので、良かったのではないかと思います。
その結果、提言者側にも気づきがあったようで、後2ヶ月間のブラッシュアップに
期待がもてそうな効果が得られました。