新しい経営管理手法:OODA Loop
これまでのPDCAが比較的長期間(月・年単位)の経営管理に向いていたのに対して、
緊急事態等短期・超短期の事態に対処するのに向いているのがOODA Loop(ウーダ・ループ)です。
昨今のコロナウイルスショック対応等にはOODA Loopの方が向いています。
OODA Loopの最初のステップは、Observe(観察)です。
まずは、いろいろな手段を使って情報収集し、現在どんなことが起こっているのか、このまま行くと
どうなりそうなのかをよく観察する必要があります。
次は、Orient(情勢への適応)です。
ベースとなる価値観をもとに、これまでの経験や新しい情報を分析・総合して、現下の状況にどう
対処するのがいいのかの方向付けを行います。
今回のコロナショックで言えば、一番大切なのは人命で、社員の命を守ることが一番重要となり、
社員の感染を防ぐことが最も重要なことと認識されるべきです。
ですから、会社の売上や利益は二の次のこととなります。ましてや予算や中計の達成度が下がったり、
やろうとしていた行事ができなくなる等は、その次の次のこととなります。
ただし、会社が存続不能になっては社員の雇用も守れませんから、会社が存続できるようにすること
は命を守ることの次に大切なことです。会社の存続とは、会社の命を守ることです。
その上で、Decide(意思決定)です。
では、社員の命を守ること、感染を防ぐこと、ただしそれを会社の命を守りながら行うことを
成り立たせるためにはどういう行動を取るかを決めます。
例えば、自宅待機でテレワークを行わせる。
自宅が使えなければ、近隣のテレワーク用オフィスを借りて使わせる等です。
テレワーク用の機器・設備がないのであれば、借りてでも用意する等です。
最後はAct(行動)です。
上記で決めたことを組織的な連携を取って実行します。
中途半端なのは一番いけませんから、組織の上から下まで徹底させます。
そしてそれが決めたように実行されているかどうか確認するようにする必要があります。
大きな組織の場合は、このループが組織立って行われなければならないので、指揮命令系統をきちんと
定めて、決めたこと守らせる必要がありますね。
また情報収集についても、逐次最新の情報が入るように情報ルートと更新頻度を決めておく必要が
あります。
OODA Loopの考え方を使って、このコロナショックを乗り切ってもらえればと思います。
(以上)