下記の資料は、よく企業内研修を行う際に、私がよく最初のオリエンテーションで
使っている資料で、学びの段階とその手段の対応関係を示したものです。

大学を含む学校での講義・授業では、新しい知識を得る、「知る」ということには役立ちますが、
すぐに忘れてしまいます。

次のレベルの「グループ討議」等を行うことで、新しい知識を説明するところまではできるのですが、
現実に起こっていることに適用するところまでにはなかなか至りません。

さらに次の「ケーススタディ」等の方法を使うと、新しい知識やフレームワークをケースに
「適用する」
ところまではできますが、いざ自社や自分の周りで起こっていることに「活用」
しようとすると
うまく行きません。
文化や習慣の異なる国の異業種の企業の戦略事例を聞かされても、なかなか普通の人は
ピンときませんよね。
私も転職の面接の際に、自社のある車種の販売不振について、面接官からいきなり
マーケティング的な説明を求められた際には、うまく説明できませんでした。
ただ、ビジネススクールでは、教官の指導のしやすさを重視して、伝統的に
このケーススタディ方式が使われています。

こうした課題をクリアするために、私たちが企業向け研修等で工夫しているのは、
受講者の方々が自社の置かれた状況や
自分の部門のことについて、戦略や組織の理論を
当てはめられるように、ワークショップという
方式で、自社・自部門の状況に当てはめる
演習を行ってもらいます。

もちろん、演習結果を発表してもらって、適否の判断やよりより検討、解釈となるよう
アドバイスは行う
わけで、そうすることで、受講者の方々はより咀嚼した形で
研修の成果を持ち帰って使うことができます。

さらに単発の研修ではなく、半年程度継続する通称「アクションラーニング型」と呼ばれる
ワークショップシリーズでは、学びをレベルをさらに上の「身に付ける」というところまで
上げていきます。
これにより、受講後は、戦略立案や新規事業の企画等が行えるようになります。
実際に、このタイプの新規事業企画講座を受講した方が、自分で発案した新規事業を
社内に提案して、審査を通り、事業としてスタートしたものがあります。

こうした学びの段階は、古くは古代中国の儒教の思想家荀子によっても述べられていますし、
近年では、米国のNTL(National Teaching Laboratories)という機関で検証もされて
います。

せっかく皆さんが集まって貴重な時間を使う企業内研修を、単に「やったことにする」研修に
しないように、中身の濃いものにしたいものです。